神待ち

父と娘の神待ち談義

神待ち掲示板で出会った女の話。
神待ち女は、大嫌いな義理の父親がいる。
神待ち娘の怒りは相当である。
そんなに憎んでいたのに。
何なのだろう。本当に憎らしい網のエイリアンとしか見えていなかったその背中が、秋の頃から柔らかくなり始めて、今では温もりが立ち上っている気配まで感じるようになって。
とりわけ、今日は、その背広越しに、強靭な背筋が浮き上がっているのを見てしまっている。
強くて、ラテツクスのようにしなやかに伸び縮みする筋肉。
毎日毎日荷物の上げ下ろしで鍛えた体。
昼間は力強く、鋼のように。夜は優しくしなやかに。
機敏に、動いでいるのだろう。
神待ち娘は、子供の頃から剣道で鍛えた体。表からでは筋肉などどこにも見えないけれど、体幹部はバネを仕込んだように力強くてしなやかだった。
普段は水のように静かなのに、ひとたび事を得ると何に入った鉄のように柔らかくも固くなる。
初めてひとつになった時、神待ち癖のある女は、はそれを身をもって味わった。
それまでの人達とはひと味もふた味も違う、極上の肉体だった。
そして、目の前のこの男。
後悔と悲嘆にくれて水に沈んだ石のように静かなのに、時々ふっと、激しい筋を身体に浮かばせる。

炉から引き出されて冷えていく鉄のように。